top of page
  • codamarks

「山と篠笛と私と」


 「五丈岩」は山梨県と長野県の間に位置する「金峰山」の山頂に鎮座している巨大な花崗岩です。友人と金峰山に登り、翌朝、ご来光を見に山頂へ向かいました。そこで、初めて五丈岩と出会い、その崇高な姿にとても感動して曲を作ろうと思いました。五丈岩は、古くから金峰山信仰のシンボルとして崇拝されてきたそうですが、先人の気持ちが実感できる貴重な体験でした。この感動を音にするには篠笛しかない!っというか、その姿を見ている時に、すでに篠笛の響が私の頭の中を巡っていました。

 私が篠笛との出会ったのは20代。和太鼓を始めたことがキッカケでした。創作和太鼓グループ「笑門(わらかど)」を結成してから、本格的に取り組み始め、笛師・蘭照さん作の笛と出会って、篠笛の音色の美しさ、奥深さに一層のめり込みました。笛という楽器は世界中にあります。各地の環境や宗教などによって、その音色も吹き方もさまざまでとても興味深く、吹き手の心象がダイレクトに伝わる楽器だと思います。「息」を吹き込むことは、「生命」を吹き込むと言っても大袈裟ではないと思っています。私の個人的イメージですが、日本の篠笛は、大地と天空を結ぶ「響」だと感じていて、神様に人々の喜怒哀楽や祈りを伝えたいという願いが込められた存在なのでは?と考えています。強い信仰心を持たない私でも、この楽器を手にすると、得もいわれぬ特別な気持ちになります。

 山の頂は、地球という星の肌の上に立ち、無限と感じられる宇宙と触れている感覚があります。その感覚を、感動を、感情を、篠笛で表現して深めていきたいという純粋な気持ちのままに、山の頂に立った時に、どんな響が頭を巡ってくるのか?面白がりながら、これからも「山と篠笛と私と」をテーマに創作していきたいと思っています。

閲覧数:52回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page