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  • codamarks

Mobile 1 〜モビール1〜 制作ノート

更新日:2021年11月21日



Mobile、やっと完成しました。。。っというのも、私がピアノで作曲活動を始めた頃に、すでに主要フレーズが出来ていて、当初からほとんど変わっていません。寝かせては起こし、起こしては寝かせ。。。熟成させてきました。モビールがはらむ時間と空間を浮遊する空気感を、「雰囲気」で表現するには、どう音を作って曲を構成させたら、満足いくのか?イメージが定まらなかったのが理由です。いくつものアイデアがボツになりました(笑)。


モビールが時間と空間を浮遊する姿は、音楽が時間と空間に音でイメージを造形させていくのと似ているように思うのです。どちらも「間」を彩るアートです。使われる素材は自由。空中でバランスを取らせることが一番の醍醐味で、スリリングな要素です。モビール作家さんたちが試行錯誤を繰り返して造形していくように、私も作家になったつもりで、音でモビールを作り、時空を遊ばせるつもりで演奏しています。3拍子、6/8拍子、4拍子、を使った変拍子を巡らせて動きの変化をつけました。


そして、この作品における、もう一つの挑戦は、ピアノではなくキーボードで演奏し、Logic Pro Xを使って、ノスタルジックな雰囲気を出す試みでした。古い映像作品を見ているようなイメージにしたかったのです。壊れかけた映写機が写しだす映像のように、途中何度も同じ所が繰り返されるような(意図的にそのように演出している映像作品もありますよね!)、アナログな感じを出したいと思いました。


モビールを作曲するキッカケを与えてくれたのは、ブルーノ・ムナーリの「役に立たない機械」という作品でした。美術館の広い空間の中で、「役に立たない機械」がゆったりと宙をただよっている姿は、そこだけ時間の流れが違って見えました。「今、此処」に二つの時間が同時に流れているような不思議な体験でした。そして、どんどんと作品の持つ時間の流れに引き込まれていきました。もっともっと踏み込んで、この不思議な雰囲気を音楽で表現すしたいと思っています。ということで、これからも連作にして、Mobileを音楽で作っていこうと思っています。一生のテーマになりそうです。


追記

「動く彫刻」モビールは、アレクサンダー・カルダーによって発明されました。動かないアートに新発想を持ち込み、彫刻の概念を一変させたそうです。カルダーの作品は、ユニークで楽しげでやさしさに溢れているように感じます。カルダーのユニークで斬新な発想に心がゾクゾクするし、モビールを『役に立たない機械』と名付けて制作するムナーリのユニークで斬新な発想にもシビレます。そうです!私はユニークで斬新な発想に触れるが大好きなんです!!ニューヨークの街中でカルダーの作品に出会えるそう。。。行かなくては!



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